コロナ禍に入ってから、Chromebookが大流行しました。3年程度使い込んでメリット・デメリットがある程度出尽くした今、Chromebookの特徴を踏まえた活用法をまとめました。
Chromebookの特徴
Androidアプリをインストール可能
スマホで撮った写真をGoogleドライブに保存する設定にしておけば、Chromebookから簡単に閲覧することができます。またAndroidスマホで使うことのできる画像編集アプリや動画編集アプリも、Chromebookで使うことができます。
ブラウザでの作業を快適にできる
Chromebookは、Googleの開発したブラウジングソフトであるChromeの名前を持つだけあって、Chromeの動作が快適になるように最適化されています。Chromeを使ってストレスなく調べ物を行うことができます。加えてGoogleWorkspaceのようなサービスを契約していれば、文書作成、表計算、プレゼンテーション作成をすることもできます。
安価なモデルの選択肢が多い
今日(2023/06/27)、AmazonでChromebookを検索してみた結果です。
価格.comでも検索を行いました。一枚目がChromebookで、二枚目がWindows搭載ノートパソコンです。
今日(2023/06/27)のChromebookの売れ筋上位は2〜4万円台、Windows搭載ノートパソコンの売れ筋上位は4〜10万円台です。厳密に同性能のものを比較しているわけではないですが、Chromebookのほうが全体的に安いといえます。
本体重量が軽量
先程比較した売れ筋上位の製品の価格と重量は、次のようになっています。
製品名 | OS | 価格 | 重量 |
HP 15s-eq3000 G3 | Windows 11 | ¥62,800 | 1.6kg |
LAVIE Direct N15(S) | Windows 11 | ¥87,800 | 2.2kg |
IdeaPad Slim 170 | Windows 11 | ¥39,820 | 1.38kg |
ASUS CX1(CX1101) | Chrome OS | ¥28,025 | 1.24kg |
Lenovo 300e 2nd Gen | Chrome OS | ¥18,800 | 1.32kg |
FMV Chromebook 14F | Chrome OS | ¥31,000 | 1.29kg |
きちんと比較すると、WindowsPCと大差ないことがわかりますが、Chromebookには持ち運びがし易い機種が多い傾向があります。
タッチ操作が可能
タッチパネルを搭載していることで、直感的な操作が可能です。お絵描きをするときや、ノートのように素早くメモを書きたいときに役に立ちます。WindowsPCにAndroidエミュレータを導入するのと異なり、スマホやタブレットと同じように操作できることが、魅力の一つとも言えます。
本体にキーボードが付属している
物理キーボードは簡単なメモを書くときには必要ありません。しかし文書作成のときには、物理キーボドがあるほうが、簡単にきれいな文書を作成できます。ブラインドタッチができる人間には、物理キーボードが付属しているほうが、入力速度が上がります。
Chromebookの活用法
一般人向けの活用法
前提
基本的に、一般人向けの活用法は、Googleのサービスの活用法と考えています。宗教上の理由でGoogleのサービスは使えないという人は、活用法が参考にならないかもしれません。
Office系ソフトをすべてGoogle製で統一する
Googleアカウントを持っている人間は全員使えるサービスには様々なものがあります。
特にGoogleドキュメント、スプレッドシート、スライドは、Microsoft社製Officeの基本機能を網羅しています。簡単な作業ならGoogleアカウントが1つあれば、事足ります。しかも、Googleアカウントの作成とGoogleの提供しているアプリの使用は無料で行うことができます。
記録媒体の1つとして使う
紙のノートやメモ帳、カメラにボイスレコーダーなど、情報を記録するにも様々な形式があります。Chromebookは本体重量も軽量な機種が多く、持ち運びのハードルが低いため、記録する行為のすべてを一台のChromebookで行うことができます。
Googleのサービスを使い倒す
皆さんは、Googleの提供しているサービスをいくつ知っていますか?
ほとんどの人は、ドライブ、フォト、メール、カレンダー、マップ、Office系ソフトくらいの印象だと思います。しかし、まだまだありますよ。調べる前は、このページにまとめようとしたのですが、あまりにも多すぎるので、Googleが公開しているサービス一覧のリンクを貼り付けておきます。
閲覧履歴をスマホと共有する
さっきまでスマホで読んでいた記事を、パソコンで落ち着いて読みたいというときがありませんか?そういうときにChromeを使っていれば、閲覧履歴を共有することで、Chromebookでスムーズに読み返すことができます。
結論
Googleでは様々なサービスを、追加料金無しで使えるようになっています。Chromebookはあくまで、Googleの提供しているサービスを使い倒すための端末、持ち運びしやすい記録用端末、もしくは、Chromeを利用した調べ物専用のサブ機としての運用が正しいと思います。
逸般人向けの活用法
前提
ここからの活用法は、自分でサーバーを構築し、Googleに類似したサービスを提供できる側の人間に向けた活用法になっています。一般人の皆々様におかれましては、理解できる領域まで勉強していただけると幸いです。玄人の皆様は、この記事の続きが参考になれば幸いです。
改めて、Chromebookとは何かということを考えてみましょう。ChromebookとはChromeを使いこなすためのデジタル端末です。もっと言うなら、Googleが生み出したブラウザソフトを快適に動作させるために、Googleが力を注いで開発した端末こそがChromebookの正体です。
当然、Googleはサービスによって囲い込みを行いたいので、Chromebookを正しく使い込もうと思えば、Googleのサービスへの依存度が上がります。Googleへの依存度が上がれば、Googleの気まぐれに振り回される可能性が高まります。これでは、精神衛生上よろしくありません。
我々の精神衛生を保つために、Googleのサービスに依存しない活用法を考えました。
サーバー接続用端末としての運用
Chromebookには「ターミナル」というSSH接続が可能なアプリが標準搭載されています。Chrome OSは軽量OSの部類に入るので、起動は驚くほど早いです。WindowsPCでサーバー管理をしている人は、一度、Chromebookを試してみませんか?
WordPressなどのCMSの運用・管理端末
普通にパソコンとして運用するには苦しいChromebookですが、ブラウザの動作は非常に快適です。加えて、本体重量も軽量で、安価です。WordPressのようなブラウザ上で文章の作成や編集を行えるCMSを使って、外出先でブログ更新をできる環境を作りませんか?
Nextcloudのようなブラウザで使えるコラボレーションツールの導入
Googleドライブのようなクラウドストレージが必要な人はNextcloudを導入してください。Nextcloudはブラウザ版はもちろんですが、Androidアプリもあるので、Chromebookに保存している画像をWindows搭載PCに移動させたり、Windows搭載PCからChromebookへの移動も簡単にできるようになります。自宅サーバーに導入することができれば、実質無料で自由に容量を拡張できるクラウドサーバーを契約したみたいなものです。
結論
ソフトやアプリの開発環境を構築するなら、2023/06/27現在ではWindows搭載PCに軍配が上がります。
軽量OSが必要なら、Linux系OSをカスタマイズするほうが、納得できるOSを得られるでしょう。
タブレットが必要なら、周辺機器の充実度を考慮して、iPadを使いましょう。
現状では、Chromebookを無理して買う必要は無いと言えます。今後のChromebook製品の動向に期待ですね。
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